風船はいつまでたっても風船



風船、それは、いつまでたっても風船

私は、いつまでたっても私であるように…

風船の生まれた所はきっと澄んだ瞳の女の子が

住んでいたに違いない。

山々が綺麗な美しい街だった…そんな気がする

あの風船の涙は、きっと私と同じ小さな宝石

でも、すぐ涙を乾かし行方のわからない所へ行ってしまう

だから、いつまでも手を離さないで優しくつかまえていて欲しい

小さくしぼんでしまっても、雨で色が褪せてしまっても

風船は、いつもでたっても風船

それは、私と同じ…




   
    愛の精より 白い雪達



白い雪よ私をうずめてしまう程降れ

足の先から頭の先まで、スッポリと

長い時間をかけ暗い空を明るく照らしておくれ

キラキラ光る1つ1つの小さな雪の精よ

美しい愛の中の一粒一粒の真っ白い雪よ

私の身体を包んでおくれ

誰も通らない夜のハイウェイや、教会のチャペルや

すっかり見えなくなってしまった人々の屋根の上

そして未開の地を走る名もない戦車

陽気に笑う子供たちの頭の上にも

「魅惑のワルツ」の曲と共に、クルクルクルクル

回りながら雪よ降れ

愛の精よ、静かに降れ

音もたてずに…



 

    未完成の独奏曲



未完成の独奏曲を聴いている

頭の中を横切った私とは…

唸り来る静けさなど、どこにもありはしない

じっとしていられない

私の頭の中にずっしりと強みを増しながら流れ来る曲は

長くもない短くもない未完成の独奏曲だ

今、この時、私は私のすべてを知らない自分に腹がたった

ドップリ悪い蜜に浸かって、グショグショになって

フラフラ都会に出てみたい

人と人の間をぬって自分を苦しめる全てのものを超越して

みなぎる勇気を肌で感じ取りたい